海龍王寺
海若(わたつみ)の いづれの神を 祈らばか 行くさも来さも 船は早けむ
Kairyuoji
海龍王寺(真言律宗)の創建は飛鳥時代(552〜645年)に遡り、当初は毘沙門天を祀っていましたが、天平3年(731)、光明皇后が海龍王寺と改めました。
唐からの帰路に嵐に襲われたものの、お経を唱え続けて救われた玄昉が当寺の住職となり、唐から持ち帰った多くの貴重な経典を収め、日本で初の写経場を開きました。本尊の十一面観音立像(重要文化財)は、鎌倉時代の作ですが、光明皇后が彫った像を元に刻まれたとされる大変美しい姿です。また、天平時代に造られた五重小塔(重要文化財)は、建造物の五重塔としては最小最古。精巧な木組みが見事です。
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五重小塔
五重塔といえば屋外にあるのが一般的ですが、海龍王寺は境内地が限られていたため、創建当初より計画的に4メートルほどの五重小塔を建立し、堂内に安置したと伝わります。小さいからこそ、組物の細やかさなどがつぶさに鑑賞できるのも嬉しいところ。

基本情報
海龍王寺
- 公式WEBサイト
- https://kairyuouji.jp/
- 拝観時間
-
9:30~16:30
※特別公開時は9:00~17:00
- 拝観料
-
大人500円、中高生200円、小学生100円
※特別公開時は大人600円、中高生300円、小学生100円 - アクセス
- 近鉄「新大宮駅」から徒歩約15分
- 電話
- 0742-33-5765
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※当サイトの万葉集の原文、現代語訳は講談社文庫『万葉集全訳註原文付』(著者・中西進)より引用。