海龍王寺

海若(わたつみ)の いづれの神を 祈らばか 行くさも来さも 船は早けむ

作者未詳

Kairyuoji

  • 海龍王の本堂と西金堂
  • 数珠を持ち、祈りを捧げている僧侶。護摩木を燃やす炎が高く燃え上がっている。
  • 満開のユキヤナギが枝いっぱいに白い小さな花を咲かせている。

海龍王寺(真言律宗)の創建は飛鳥時代(552〜645年)に遡り、当初は毘沙門天を祀っていましたが、天平3年(731)、光明皇后が海龍王寺と改めました。
唐からの帰路に嵐に襲われたものの、お経を唱え続けて救われた玄昉が当寺の住職となり、唐から持ち帰った多くの貴重な経典を収め、日本で初の写経場を開きました。本尊の十一面観音立像(重要文化財)は、鎌倉時代の作ですが、光明皇后が彫った像を元に刻まれたとされる大変美しい姿です。また、天平時代に造られた五重小塔(重要文化財)は、建造物の五重塔としては最小最古。精巧な木組みが見事です。

ひもとく万葉集

現代語訳「海のどの神を祈ったなら、行きも帰りも船は早いのだろうか。」

昔の旅はいのちがけ、でした。とりわけ海を行く旅はどれほど覚悟のいるものだったことがよくわかる歌です。それでも多くの人々が海を渡り、多くの文化や技術が行き交うたことに感謝の念が沸き上がってくるのです。(万葉集 巻9・1784番)

みどころ国宝・重文

Hignlights

境内図

海龍王寺の境内図

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お寺を知るキーワード

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五重小塔

五重塔といえば屋外にあるのが一般的ですが、海龍王寺は境内地が限られていたため、創建当初より計画的に4メートルほどの五重小塔を建立し、堂内に安置したと伝わります。小さいからこそ、組物の細やかさなどがつぶさに鑑賞できるのも嬉しいところ。

小さいからこそ、組物の細やかさなどがつぶさに鑑賞できる。

基本情報

海龍王寺

公式WEBサイト
https://kairyuouji.jp/
拝観時間

9:30~16:30

※特別公開時は9:00~17:00

拝観料

大人500円、中高生200円、小学生100円
※特別公開時は大人600円、中高生300円、小学生100円

アクセス
近鉄「新大宮駅」から徒歩約15分
電話
0742-33-5765

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