喜光寺

大き海の 水底深く 思ひつつ 裳引きならしし 菅原の里

石川女郎

Kikōji

  • 喜光寺の外観
  • お寺を見守るお地蔵様
  • ピンク色の蓮の花

万葉集にも登場し、菅原道真生誕の地とも伝わる菅原の里に建つ喜光寺(法相宗)。奈良時代、東大寺建立の際、民衆の力を集めることに功績のあった行基が養老5年(721)に創建し、彼はここで亡くなりました。
本堂は、行基が東大寺大仏殿を建てる前に建立したことから「試みの大仏殿」と称されたものの焼失。現在の本堂(重要文化財)は室町時代に再建されたものです。本尊は平安時代の阿弥陀如来坐像(重要文化財)。丈六と呼ばれる立派なもので、観音菩薩、勢至菩薩を従えています。夏になると境内が250鉢を超える蓮の花で彩られます。

ひもとく万葉集

現代語訳「大海の水底のように心深く思慮しつつ、裳裾を引いて地を平らにした、菅原の里よ。」

夫からの愛が薄れ離別されたことを悲しむ歌です。奈良の都があったこの菅原の地は平城宮からもそれほど離れてはない場所。行ったり来たり…を繰り返していた恋心の切なさがにじむ一首です。(万葉集 巻20・4491番)

みどころ国宝・重宝

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境内図

喜光寺の境内図

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試みの大仏殿

東大寺大仏殿のモデルになったという伝承が広まり、いつの頃からか本堂を「試みの大仏殿」と称するように。軒を大きく広げた姿は圧巻で、建物の上部四方に設けられた連子窓から夕日が差し込むと、極楽浄土さながらの阿弥陀様に出合えます。

「試みの大仏殿」と称されるようになった本堂。軒を大きく広げた姿が圧巻。

基本情報

喜光寺

公式WEBサイト
https://kikouji.com/
拝観時間
9:00~16:00(受付終了15:45)
拝観料
大人500円、小中学生300円
アクセス
近鉄「尼ヶ辻駅」から徒歩約10分
電話
0742-45-4630