西大寺
この里は 継ぎて霜や置く 夏の野に わが見し草は 黄葉ちたりけり
Saidaiji
天平宝字8年(764)、恵美押勝の乱に際し、孝謙上皇が鎮護国家の祈りを込めた四天王像の造立を発願されたことが、西大寺(真言律宗)の始まり。
創建当時の邪鬼が今も四王堂に伝わっています。乱は上皇側の勝利に終わり、重祚した称徳天皇によって、西大寺の伽藍造営は780年まで続けられました。かつては、現在の約40倍もの広さを誇る大寺院でしたが平安時代に一旦衰退。鎌倉時代に叡尊によって再興されました。
江戸時代に松材で再建された本堂(重要文化財)の本尊・釈迦如来立像(重要文化財)、愛染明王坐像(重要文化財)、東塔跡などが見どころです。大きな茶碗で回し飲みする大茶盛の行事でも知られています。
奈良県指定文化財 愛染堂
叡尊が住まいした西室の跡地に建つ、大型の仏堂。現在の建物は明和4年(1767)に京都の近衞家邸宅の一部を移築したもので、寝殿造風の外観が特徴です。秘仏・愛染明王坐像を中心に、北側には襖絵や障壁画に彩られた客殿、南側には歴代尊霊の位牌を祀る御霊屋(おたまや)を配した造りになっています。

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大茶盛式
鎌倉時代、お寺の再興に感謝した叡尊上人が参拝者にお茶をふるまったことが由来とされる伝統行事です。直径30センチ以上ある大きな器に注目が集まりますが、西大寺から出土した日本最古の金貨「開基勝寳」を象った干菓子も、この時だけのお楽しみ。

基本情報
西大寺
- 公式WEBサイト
- https://saidaiji.or.jp/
- 拝観時間
- 8:30~16:30(受付終了16:00)
- 拝観料
-
本堂・四天堂・愛染堂、三堂共通拝観
大人800円、中高生600円、小学生400円
*聚宝館は別途300円(年間3回開館:1/15~2/4、4/20~5/10、10/25~11/15)
*各種割引は公式WEBサイトをご確認ください。
- アクセス
- 近鉄「大和西大寺駅」から徒歩約3分
- 電話
- 0742-45-4700
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※当サイトの万葉集の原文、現代語訳は講談社文庫『万葉集全訳註原文付』(著者・中西進)より引用。